乳酸菌と発酵

乳酸菌培養のはじまり

最初に乳酸菌を純粋に分離したのは、リスターというイギリスの外科医だと考えられています。しかし、実際にそれを確立したのは、19世紀後半~20世紀前半に生きていたドイツのコッホです。それまでは液体培地において、細菌を培養するという方法を取っていたのですが、コッホは、固形培地の上に細菌の集落(いわゆるコロニーのこと)を作らせるという画期的な方法を編み出しました。これは平板培養法と呼ばれており、現代の寒天培地によるこの平板培養法は、細菌学において最も重要な研究手段の1つになっているのです。コッホは細菌を純粋に分離するだけではなく、例えばコレラ菌など、伝染病に関わる病原菌の多くを発見していきました。パスツールによって開拓されることになった微生物学は、コッホのこうした細菌分離法によって、つぎつぎと新しい細菌を発見することにつながっていったのです。

私たちにもできる乳酸菌発酵

乳酸菌の発酵は、特別な資格がなくても、実は私たち自身で簡単に始められます。ちなみに発酵とは、食物が微生物の働きによって分解され、人間の体の働きに良い影響を与える保存可能な食品に変化することです。乳酸菌には多くの種類が存在するので、その発酵方法も菌によって違ってきます。たとえばヨーグルトを毎日食べる人が、牛乳から自分で乳酸菌を発酵できれば、いちいち購入する手間が省けますし、節約にもつながります。何より、自分の手で乳酸菌の質や量を調整できるというメリットがあるのです。単純に、微生物であれ生き物を育てるという楽しみも味わえるかもしれません。

私たちにもできる乳酸菌培養

乳酸菌発酵の方法とは

乳酸菌発酵の方法とは

まずはヨーグルトを作るために、乳酸菌を発酵させてみましょう。
ヨーグルトは、乳酸菌が作り出す乳酸で牛乳が固まってできるものです。理論上は、牛乳で乳酸菌を培養するということになりますが、菌を寄生させることに培養の難しさがあります。なぜなら、空気中など私たちのそばには、常にたくさんの菌が存在しており、そんな中で乳酸菌のような善玉菌だけがうまく寄生してくれるとは限らないからです。乳酸菌の培養において大切なのは、私たちに悪い影響を及ぼす悪玉菌の寄生や増殖を防ぎ、その厳しい環境の中で乳酸菌をうまく培養させていかなければならないということです。
最初に、ヨーグルトを作るために使う道具を、全て熱湯消毒します。熱湯消毒した容器に牛乳を半分ほど入れ、市販されているヨーグルト菌の素やヨーグルトを加えよく混ぜます。そこへ残りの牛乳を加えさらによく混ぜたら、しっかりフタをして適温で発酵させていきます。失敗しないヨーグルト作りには、ヨーグルトメーカーも便利です。一定の温度を保つことができるので上手に発酵させることができます。このように乳酸菌の自家発酵は可能であり、豆乳を入れて豆乳ヨーグルトにしてみるなど、さらなる応用にもつなげることができるのです。

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