ヨーグルトと乳酸菌

ヨーグルトの発見

牛乳や山羊乳などに乳酸菌を加えて発酵させた食品が、ヨーグルトです。中近東を発祥とするヨーグルトは、現在において日本では親しみやすい存在になっています。ヨーグルトに含まれる乳酸菌は乳酸を産生し、私たちの腸内環境を整えてくれているのです。

今からおよそ6000年前、ヨーグルトの歴史はエジプトから始まりました。それは本当に偶然であり、置き忘れていた乳に乳酸菌が混ざり、食べてみたらおいしかったという出来事が、始まりです。その物語がエジプトの壁画に描かれています。それ以来、東地中海沿岸地方やバルカン半島などでは、重要な食べ物になっていきました。しかし、ヨーグルトの健康効果が世界に広まったのは、20世紀に入ってからです。ロシアの生物学者であるメチニコフが、老化に関する論文を発表したのです。メチニコフはバルカン半島の一部地域には100歳を超える長寿者が多いことを知り、彼らが日常的に摂取している発酵乳、つまりヨーグルトにその秘密があるとして、不老長寿説をとなえました。ヨーグルトを食べれば乳酸菌が腸内で増えて、腐敗菌の増殖を抑え、結果的に老化が防げることがわかり、欧米諸国では不老長寿の妙薬として広く作られるようになったのです。

ヨーグルトの発見

日本でのヨーグルトの普及

日本におけるヨーグルトの歴史は、奈良時代にさかのぼります。その頃のヨーグルトは、酪と呼ばれていました。日本最古の医学書である医心方には、現在のヨーグルトと同じような酪の効能が既に記されていたのです。ただ、これを食べることができたのは貴族だけでした。平安時代からは、牛の飼育があまり積極的に行われなかったので、ほとんど作られることはありませんでした。明治時代以降は文明開化の影響もあり、庶民にも凝乳として身近に親しまれるようになりました。そして戦後には栄養素が豊富な食品として、私たちの間に広がっていったのです。

ヨーグルトの栄養

ヨーグルトの製法

ヨーグルトの基本的な栄養素は、牛乳由来の良質なタンパク質、カルシウム、ビタミンB2です。乳酸が発酵したことによるタンパク質の分解は消化機能を向上させ、乳酸カルシウムに変わったカルシウムは、吸収が促進されるようになっています。ヨーグルトに含まれる乳酸菌が、私たち人間の腸内で増えることから、整腸作用にも期待できます。ヨーグルト独特の酸味は、牛乳が苦手な人であっても食べやすくなっているので、デザートやサラダなどいろいろな用途に使われています。

いろいろなヨーグルトの形

近年においてヨーグルトは多様な形に進化しており、私たちの生活に浸透しています。
ヨーグルトの主な種類として、大きく5つのタイプに分けることができます。

  • 1:プレーンタイプ
    牛乳に乳酸菌だけを加えたものを指します。ショ糖も硬化剤も添加していない、無糖ヨーグルトです。
  • 2:ハードタイプ
    日本で古くから作られている、プリン状に固めたものです。脱脂乳を原料に、寒天やゼラチンなどの硬化剤とショ糖が加えられている、普通ヨーグルトです。
  • 3:ソフトタイプ
    乳酸発酵後に凝固物を砕いて、半流動状にしたものです。果肉を加えたものが多く売られています。
  • 4:ドリンクタイプ
    発酵後に固まったヨーグルトを混ぜて、液状で飲用するヨーグルトです。
  • 5:フローズンタイプ
    乳酸発酵させたヨーグルトを混ぜながら凍結したもので、アイスクリーム状になっています。休眠状態にあっても乳酸菌が生きているところが特徴です。

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