乳酸菌が便秘に与える影響

便秘と下痢はどちらも腸内環境の悪化が原因

便秘と下痢は正反対の症状ですが、実はどちらも善玉菌悪玉菌による腸内環境のバランスが大きく関わっているのです。有害な腸内細菌は、発がん前駆物質から発がん物質となるニトロソアミンやフェノイールなどを産生したり、アンモニア・インドール・メルカプタンを始めとする有害物質を産生したりしています。この有害な腸内細菌を排除しようとする現象が下痢であり、有害物質によって低下させられた腸の蠕動運動や、それに伴う大腸菌などの増殖によって便秘が起こるわけです。現代社会におけるさまざまな公害やストレス、そして飽食可能な環境は、腸内にそうした悪玉菌を増加させる原因となっています。腸内は、加工食品などに含まれる防腐剤にも敏感だといわれているので、今を生きる私たちは特に意識して善玉菌を増やしていく必要があるでしょう。

便秘と下痢はどちらも腸内環境の悪化が原因

便秘を放置すると大きな病気につながる

日本内科学会による便秘の定義は、「3日以上に渡って排便がない場合、または毎日排便があるにも関わらず残便感がある状態」になっています。私たちが食事をすると、食べ物は胃から腸へと運ばれて、腸壁の筋肉が伸び縮みするという蠕動運動が行われ、やがて肛門へと送られていきます。この蠕動運動が正常に機能していないと、便が大腸に留まっている時間が長くなります。大腸内に便が残っている状態が、便秘なのです。こうした異常事態が長時間続くと、悪玉菌が増殖して腸内環境のバランスが崩れてしまいます。しかも腸の機能が低下するだけでなく、便の腐敗による有毒ガス(アンモニアや硫化水素など)が発生することによって、大腸がんなどの大きな病気の原因にもなってしまうのです。そこで、腸内環境のバランスを改善するために役立つのが、乳酸菌です。

どの乳酸菌を摂るかが大切

乳酸菌が腸内で増殖すると、乳酸や酢酸といった有機酸が作られます。この乳酸菌の代謝物が腸内を弱酸性にすることで、同じく腸内に生息している悪玉菌の増殖を抑えてくれるのです。悪玉菌が住みにくくなるような環境を整えてくれると同時に、有機酸は腸の蠕動運動を促す働きも持っているのです。
乳酸菌を摂ることは、便秘を予防し、便秘解消させるために非常に役立つ手段であり、便秘に悩む人たちにとっては強い味方だといえるでしょう。さらに、腸内環境のバランスを正常に保ってくれる効果も期待できるのです。

生きて腸に届く乳酸菌を選ぼう

便秘を解消させるためには、乳酸菌をただ摂ればいいというわけではありません。どの乳酸菌を摂るかが大切なのです。乳酸菌にはいろいろな種類があり、相性のいい菌は人によってさまざまなのです。同じヨーグルトを1週間程度毎日食べ続け、便通の様子を観察してみてください。改善がみられれば、その乳酸菌は自分と相性がいいということになります。口から取り入れた乳酸菌はいつまでも腸内にとどまるわけではないので、相性がいい菌を見つけたら、その乳酸菌を毎日摂取することが大切です。ゆえに乳酸菌を摂らなければならないのです。

生きて腸に届く乳酸菌を選ぼう

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